進化する近視手術 ― ICLとLASIK

現在、日本の近視矯正手術として主流となっているのはICLですが、LASIKも長い歴史があり、世界中でスタンダードな近視手術として広く行われています。
LASIKはハーバード大学関連病院をはじめとする最先端の医療機関でも日常的に行われている安全性の確立した手術です。

なぜ私たちが立ち上がったのか

2008年から2009年にかけて、ある施設が利益を優先し、基本的な衛生管理すら怠った結果、LASIKで多数の感染症を引き起こす事件が発生しました。
この事件は大きく報じられ、「LASIK=危ない」という誤ったイメージが広がりました。
問題の原因はLASIKそのものではなく、クリニックのずさんな対応にありました。その結果、誠実に医療に取り組む眼科医たちまでもが、根拠のない風評被害を受けることになりました。

こうした背景を踏まえ、安心できる医療体制を客観的に示し、そして患者様自身が正しい知識を得て、自分に合った医療機関を選べるようにするために、私たちは 「安心近視手術ネットワーク」 を設立しました。

代表メッセージ

日本はかつてないスピードで近視の時代に突入しています。
2000年代には一部の医療機関による不適切な対応がLASIKへの不安を広げ、業界全体の信頼を大きく損ねました。
その後、ICL手術が普及し、現在では日本の近視矯正手術の主流として認知されるようになっています。

しかし、日本の近視治療の体制はいまだ発展途上です。医師への専門的な教育の機会は限られ、また患者様への正確な情報提供や啓発活動も十分ではありません。
私はアメリカ留学中、マサチューセッツ眼耳鼻科病院で世界トップレベルの屈折矯正手術の教育と臨床を経験しました。そこでは近視治療が眼科医療の一つの専門分野として、体系的に教育・研修が行われていました。

日本の近視治療を世界水準に引き上げるためには、専門医たちが学び合い、支え合うネットワークづくりと、患者様への正確でわかりやすい情報提供が急務だと強く感じています。
これが、私たちの出発点です。

2025年4月、私たちは「安心レーシックネットワーク」の理念を引き継ぎ、「安心近視手術ネットワーク」を設立しました。
本ネットワークは、LASIKやSMILEといったレーザー屈折矯正手術やICL手術において、科学的根拠に基づいた安全で質の高い医療の提供を目指しています。
同時に、屈折矯正手術を行う医師たちの学びと交流の場となり、近視治療の質の向上に貢献します。

誰もが安心して自分に合った治療を選べる未来へ。
その実現のために、私たちは患者様と医療機関をつなぐ架け橋であり、安心できる選択へと導く“羅針盤”でありたいと考えています。
皆様のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2025年9月

安心近視手術ネットワーク 代表

患者様の立場で歩んできた弁護士のメッセージ

私は20年以上にわたり、患者様の立場で医療事件に携わり、LASIK集団訴訟の弁護団長も務めてまいりました。その経験から強く言えるのは、医療は決して医療機関の利益優先で行われてはならず、患者様の利益のために行われるべきということです。

かつてLASIK手術が急速に広がった時代、一部の施設では以下のような問題がありました。
• 患者様に不利益となる可能性があるにもかかわらず、十分な配慮がされないまま手術が実施されたこと
• 患者様に対してメリットばかりが強調され、デメリットの説明が不十分だったこと
• 患者様に必要な検査や熟慮の機会が十分に与えられなかったこと
本来であれば、避けた方がよい手術は避け、デメリットやリスクについて十分に説明し、患者様に手術を受けるかどうか日をあけて考える時間を設ける。そうした患者様の利益を第一にした医療がなされるべきでした。

しかし現実には「即日手術」「流れ作業の大量手術」といった形で、医療機関が大きな利益を得る一方、患者様の健康が犠牲になる事態が生じました。

これはLASIK手術そのものが危険だったのではなく、医療界に古くから存在する「構造的な問題」が表面化したにすぎないと考えています。
こうした行為は、医師の原則である
「自身の能力と判断に従って、患者に利すると思う治療法を選択し、害と知る治療法を決して選択しない。」
「純粋と神聖をもってわが生涯を貫き、医術を行う。」
という、2000年以上前に記され、現代でも医療倫理の根幹を成しているヒポクラテスの誓いに背くものではないでしょうか。

この誓いを安心近視手術ネットワークに所属される先生が講演で引用されたとき、私は強い感銘を受けました。
それ以来、この誓いは弁護団活動の指針ともなり、私の志そのものとなっています。

安心近視手術ネットワークに所属する先生方は、まさにその精神に基づいて診療をされています。もちろん、人間である以上、ミスや不手際がゼロになることはありません。ですが「患者様のために」という姿勢を持ち続けることで、事故の可能性は大きく減り、ご納得のいく医療につながると私は確信しています。

患者様の立場に立って医療事件を扱ってきた弁護士として、私は安心近視手術ネットワークとそこに所属する医師の先生方を推薦いたします。

2025年9月

レーシック被害対策弁護団※(2014〜2023)弁護団長
医療問題弁護団 副幹事長
東京グリーン法律事務所
弁護士 梶浦 明裕

(※)2014年~2023年(同年全面解決により解団)

活動内容

近視治療に対する
啓発・教育活動

近視治療に関する正確な知識と最新の情報を社会に広く発信し、治療の正しい理解と普及を促進しています。

多施設共同研究

日本近視治療協会では、複数の医療施設が連携して行う多施設研究を推進しています。研究テーマの設定から、学術発表・論文投稿までを支援し、そこで得られたエビデンスを患者向けに分かりやすく公開・啓発活動に活用します。

年会費

年会費は一律30,000円です(年度途中のご入会も同額)。
この会費は、ネットワークの運営や学術研究支援、患者様への啓発活動に充てられます。
趣旨にご賛同いただける医療機関の皆様のご参加を心よりお待ちしております。

入会方法

安心近視手術ネットワークの趣旨にご賛同いただける医療機関の皆様のご参加を、心よりお待ちしております。
入会をご希望の方は、お問い合わせページよりお気軽にご連絡ください。

入会の流れ

  • 入会希望
    「お問い合わせ」より「入会希望」をご選択ください。
  • 入会申込書の送付
    事務局より入会申込書をメールにて
    お送りします。
  • 入会申請
    入会申込書をWordまたはPDFにて
    事務局宛てにメールにてご返送ください。
  • 安心な入会基準
    申込書をもとに事務局が確認します。
  • さらに当会が考える
    安心基準
    申込書をもとに世話人が入会確認を行います。
  • 結果のご連絡
    結果は事務局よりメールにてお送りします。

ご入会はこちら

安心項目

安心近視手術ネットワークでは、入会を希望される医療機関に対して、一定の基準を設けています。
これは患者様にとって安心できる医療環境を担保するためのものであり、その透明性を確保するために確認項目を公開しています。

  • 安心な入会基準
    ウェブサイトにて以下の項目を確認できるURLとスクリーンショットをご提示ください。
    例えば、LASIKとSMILEの両方を実施している場合、それぞれのページが下記すべてを満たしている必要があります。LASIKページとSMILEページを組み合わせて全項目を満たす形は認められません。
    1. 1
      屈折矯正手術ガイドラインに基づいた治療を行っていること
    2. 2
      明確な料金体系をウェブサイトに公開していること
    3. 3
      術後のフォロー計画をウェブサイトに公開していること
    4. 4
      電話やメール、説明会などの相談体制を整えていること
    5. 5
      リスク(合併症・デメリット)の説明を十分に行っていること
  • さらに当会が考える
    安心基準
    施設様の自己申告をもとに、ガイドライン遵守や手術体制について確認いたします。

レーザー屈折矯正手術

  1. 6
    対面カウンセリングを実施していること
  2. 7
    厚労省認可のレーザー器械を用いて手術を行っていること
  3. 8
    術前に調節麻痺検査(サイプレジンもしくはミドリンP)を行っていること
  4. 9
    術前検査(適応検査を含め、自覚屈折を確認する検査)を別日に2回以上行っていること
    (同じ日に適応検査と術前検査を実施している場合は、1回の術前検査とみなし含まない)
  5. 10
    術前に角膜トポグラフィーおよび角膜トモグラフィーを用いたスクリーニングを
    行っていること
  6. 11
    ドライアイの治療(点眼治療・涙点プラグ治療)が可能であること
  7. 12
    ウェーブフロントガイデッドレーシック、トポガイドレーシック、
    SMILEのいずれかの手術への対応が可能であること
  8. 13
    フラップ整復、フラップ下洗浄、上皮迷入除去の合併症対応経験があること

ICL治療

  1. 6
    対面カウンセリングを実施していること
  2. 7
    スターサージカル株式会社から認定された常勤のICL認定医以上の資格を有する医師が手術を執刀していること
  3. 8
    術前に調節麻痺検査(サイプレジンもしくはミドリンP)を行っていること
  4. 9
    術前検査(適応検査を含め、自覚屈折を確認する検査)を別日に2回以上行っていること
    (同じ日に適応検査と術前検査を実施している場合は、1回の術前検査とみなし含まない)
  5. 10
    術前に角膜トポグラフィーもしくは角膜トモグラフィー検査を行っていること
  6. 11
    前眼部OCTを用いてサイズ決定が可能であること
  7. 12
    常勤のICLインストラクターもしくはエキスパートインストラクターが
    手術を執刀すること
  8. 13
    摘出または入れ替え及びトーリックICLの回転修正の合併症対応経験があること

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