コラム

「ICLは外せるから安心?」その前に知ってほしい大切なこと

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ICL
UPDATE
2025.12.05
ICL(眼内コンタクトレンズ)は、
「入れてみて合わなければ外せばいい」──そんなふうに思われることがあります。

確かに、LASIKなどのレーザー屈折矯正手術とは違い、ICLには“抜去(取り出し)できる”という大きな特徴があります。
 
しかし、「取り出せる=気軽」ではありません

ICLはコンタクトと違い、眼の中に埋め込む医療機器です。
だからこそ、誤解したまま手術を受けることがないように今回、このコラムを執筆しました。

ICLの抜去が必要になるケースは、実際には 1%未満〜数%程度 と非常に稀です。
むしろ大半の患者さんは問題なく長期使用できます。

“取り出せる”という言葉の裏側
では、なぜ安易に「外す」という判断が危険なのか?
 ICLを抜去(再手術)する際に考えるべきことをご紹介します。

抜去には 再手術 が必要であり、当然リスクを伴います。
● 角膜内皮細胞の減少
● 白内障の誘発
● 眼圧上昇
● 感染症リスク …など

これらは「ICLが危ない」のではなく、“眼内手術である以上、再手術にも一定の負担がある”というごく医学的な事実です。

“なんとなく違和感があるから外したい”
―――そういった自己判断で行われるものではありません
本当にICLの抜去が必要かどうかは、医師が検査結果を踏まえて慎重に判断します。

 誤解しないでほしいのは「ICLはとても良い術式」という事実です。
ICLは、角膜を削らないという大きな利点があり、近視矯正手術の中でも高い満足度と良好な術後成績 が世界中で報告されています。

問題なのは、「取り出せる」という言葉だけが独り歩きしてしまうこと。
ここを正しく理解してほしいです。

だからこそ本当に大切なのは、術前の“見極め”です。
ICLが適しているか、レンズサイズは合っているか、目の奥の状態は安全かなどについて、角膜や眼内の精密な検査を行います。
そして、患者様のライフスタイルや希望にICLが本当に適しているかを、対面でのカウンセリングで丁寧に傾聴することで、 “そもそも抜去が必要になる状況を極力避ける”ことができます。

働き盛りの世代にとって、仕事を休んで手術を受けるのはなかなか難しいと思いますが、そのために費用の安いところや来院回数の少なさなどで医療機関を決めるのではなく、自分自身の大切な目だからこそ信頼できる医療機関を選択し安心して手術に臨んでくださることを願っています。

安心近視手術ネットワークでは、信頼できる医療機関の条件をまとめた『ビジョン・コンパス』 を公開しています。
あなたの目にとって最適な選択をするための“羅針盤”としてご活用ください。

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